仏の子 | 2006/09/18 |
去年、ティベットのラサを訪問した時の事。 ラサ市内の大衆食堂で食事をしていると、視線を感じた。 箸を止めて外を見ると、店の外でじっと私を見ている少年がいた。 なんて穏やかで、しかし悲しく、愛情に飢えた表情なんだろう。 私の子供と同じくらい、7歳くらいだろうか。 すぐに物乞いと解り、手招きした。 私の前に座る。 ![]() 「腹減ってるのか?」 「....うん」 「食べるか?」 「.....うん」 「お父さんは?」 「...いない。」 「お母さんは?」 「...いない。」 会話はこれで終わり、私は席を立った。 5年前にこの街に来たときも食堂はストリートチルドレンで溢れており、 客の食べ残しを奪い合うように食べていたのを何度と無く見た。 仏教地域では子供は仏の子、みんなの子。 飢え死にしないだけましなのかもしれない。 彼らに両親がいない理由を中国にいる私は書く事ができない。 |